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2年越しで多焦点眼内レンズへ変更

初診

[既往歴: 近視レーシック ]
63歳女性 白内障を主訴 に九州より手術希望にて受診された。

RT(NCT)=14[14,14,14]mmHg / LT(NCT)=15[15,15,14]mmHg
RV = 0.06 ( 0.5 ×S -2.25 D)
LV = 0.15 ( 1.0 ×S -3.25 D)

[ 診断: (両)白内障 + (両)近視レーシック ]
(P)白内障を両眼に認め、現在近視もあることから単焦点眼内レンズの50㎝ターゲットに手術希望された。水晶体嚢の濁りの抑制や後の眼内レンズの交換性の可能性についても考えて人工水晶体嚢にて手術を行うこととなった。

図15 一回目術後 右眼

2年経過後、遠方がメガネが必要なのは不便なのでやっぱり多焦点にしたいという希望。
RT(NCT)=12[12,12,12]mmHg / LT(NCT)=13[13,13,13]mmHg

遠方視力
RV = 0.15 ( 1.5 ×S -2 D)[ x IOL ]
LV = 0.3 ( 1.5 ×S -1.75 D)[ x IOL ]
(P) 単焦点から多焦点へ入れ替えをプランし手術を施行した。

図16 2回手術後 右眼

二年経過後のレンズ入れ替えを行なった目とは思えないくらいにきれいな前眼部の状態である。

2回目術直後

RT(NCT)=13[13,13,14]mmHg / LT(NCT)=15[15,14,15]mmHg

遠方視力
RV = 1.0 ( 1.2 ×S -0.25 D)[ x IOL ]
LV = 1.0 ( 1.2 ×S -0.25 D)[ x IOL ]

近方視力
NRV = 1.0[ x IOL ]
NLV = 1.0[ x IOL ]

2年経過してからの眼内レンズの安全で予測性の高い交換は現時点ではほぼ不可能と考えられているが、人工水晶体嚢の移植によりそれが可能であった症例である。現状、交換性は担保されており、人工水晶体嚢移植眼ではこのようなパフォーマンスは可能となっている。眼内レンズのパフォーマンスの向上やレンズについての戸惑い悩みなどある方には福音となる可能性がある。
※未承認デバイス、医療であるため、完璧なものはないということ、その限界などは了解が必要である。