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テクニス オデッセイ TECNIS Odyssey(Johnson&Johnson)現時点の傾向【2024年11月】

オデッセイ Odyssey(Johnson&Johnson)

Johnson&Johnsonから開発されたSynergyという連続焦点型眼内レンズの後続モデルとして開発された。

Synergyは中間距離、近方での視力が非常に良好で、現存する回折型多焦点IOLの中で、中間、近方に関してはトップクラスの数字上の視力が出やすい。Johnson&Johnsonらしい、数字上の視力にこだわった製品であった。しかし、同時に、遠方視力がたまに不良であることや、コントラストの悪化を自覚される症例の報告が上がっている。さらには、夜間のグレアが強めであることも報告されている。その中でも特にスターバーストが強めとされてきた。

このような問題点を解決するべく開発されたレンズがOdysseyである。

まず、変更点を一つずつ説明する。
❶回折格子の全体的なピッチと組み合わせ、デザインが変更となった。詳しくは述べないが、図のように肉眼的にみても異なることがわかる。
❷回折格子のエッジ部分が2/3 で鈍的になっている。これは、エッジグレアの発生を抑制しようとした結果ではないかと思われる。
❸回折格子の高さがSynergyよりも少し低くなっている(図1)。

変更とならなかった点として、
❶full diffraction designである。
❷テクニスオプティブルーがプラットフォームとなっている。
❸Toric モデルはシャープエッジハプティクスであるToric2であるということ。
❹いずれも色収差補正を目的としたデザインが組み込まれているということである。

Johnson&Johnsonの企業宣伝としては、夜間グレアの大幅な改善、屈折誤差の耐性がある、近方視力はSynergyと変わらないか若干悪い程度、Synergyの進化系レンズである。とのことであった。

図1 SynergyとOdysseyの回折格子

●テクニスオデッセイについて最新の情報は、こちらをご覧ください。

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記事監修者について

野口 三太朗

  • ASUCAアイクリニック 仙台マークワン 主任執刀医
  • 社会医療法人 三栄会 ツカザキ病院 眼科 医長
  • 日本眼科学会認定 眼科専門医

2006年、東北大学医学部卒業。その後、東北大学医学部眼科学教室、ツカザキ病院、石巻赤十字病院眼科などで経験を積む。2021年に大阪大学大学院博士課程修了。2022年、宮城県仙台市に位置する「ASUCAアイクリニック」の主任執刀医を務める。専門分野は白内障手術・網膜硝子体手術。
数万件に上る執刀経験を持ち、海外からの情報をいち早く取り入れ、治療に活かしている。世界初、日本発という臨床研究を多く手がけ、最新技術の導入に努める。
日本眼科手術学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本白内障学会ほかの各会員。医学博士。

免責事項本記事は教育・情報提供を目的としており、個別の医療相談や診断・治療の代替となるものではありません。眼科治療を検討される場合は、必ず眼科専門医にご相談ください。医学情報は日々更新されるため、最新情報の確認も重要です。