人工水晶体嚢が切り開く未来
本当のほんとにあたらしい技術を紹介します。
人工水晶体嚢です😎
眼科医をはじめとして、勿論、一般の方も聞いたことも見たことも無いものでしょう。しかし、これって、数十年前から眼科医が、夢見ていたデバイスなんです。
白内障手術は完成度が高く、成熟期にあります。安全係数も高く術後視力もほぼ確約されるくらいです。しかし、そこで医療の進歩を止め満足するのかどうなのかというのは別の話。ながらく、白内障手術は水晶体嚢にレンズを、固定していたわけですが、これによる限界を今迎えていると思ってます。
限界
● 術後屈折誤差が必ずゼロにはならない。どんな式を用いても90%が良いところ
● 水晶体嚢の混濁が必ず起きる
術後にヤグレーザーが必要
前嚢も収縮し、混濁するので有効光学径が減る
● レンズの入れ替えは基本困難
レンズが嚢と癒着するので、長期術後は剥離しにくい
● 白内障手術、レンズ移植は一生に一度
上記の理由より、入れ替えは基本行わない
フェムトセカンドレーザー白内障手術がありますが、勿論そんなものを使っても上記の限界からは全く脱せません。フェムトの意義は前嚢切開を決まったサイズに作るということかと思いますが、嚢収縮、レンズとの癒着は同じくらいしっかり発生します。
人工水晶体嚢は眼鏡のようにとは言わないまでも、レンズを何年経っても入れ替えられる、嚢収縮、癒着から回避できるデバイスです。眼科医にとっては、夢のまた夢であったデバイスであると思います。数年後には全世界に広まる予感😎
ヨーロッパのチームの成績では、200眼を二年間フォローしているようですが、一眼も後発白内障が発生してい無いとのこと。勿論、僕の成績もそうです。
眼科デバイス、レンズに誰よりも詳しい自分ですが、これは間違いなく自分に移植したいデバイスです。どう考えたって、長期的に良好な視機能が温存される。
このような治療を、受けたい方は是非クリニックなどに問い合わせてみてください😎。
「野口三太朗のブログ」2022.07.07より再掲
https://ameblo.jp/noguchi-ophthalmologist