眼内レンズ 眼内レンズ

Intensity インテンシティー

基本情報

メーカー Hanita Lenses社 (イスラエル)
CEマーク取得 2019年11月
※CEマークとはすべてのEC加盟国の基準に適合している商品であることを示すマークです。
種類 多焦点眼内レンズ
トーリック あり

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※「実臨床、自験例」は臨床結果を元にした、当院主任執刀医:野口三太朗医師独自の情報です。医師紹介を見る

メーカー情報

構造&焦点
フーリエ回折型
5焦点Double3焦点(野口医師の考える俗称)
エネルギー配分
遠42% 中25.75% 近25.75%
光学ロス 6.5%
特徴
2019年11月CEマーク取得。DLUテクノロジーを採用した最新の5焦点眼内レンズ。従来の3焦点に比べ光学ロスが少なく、あらゆる場面で見え方の質が良い。
Hanita Lenses社製。
暗所ハローグレア
少ない
選定療養
×

フーリエ光学により計算されたDLUテクノロジー(Dynamic light utilization technology)というHanita社独自のアルゴリズムの5焦点Double 3焦点眼内レンズで、従来の回折型2焦点や3焦点レンズでは使用出来なかった部分を活かし、無限遠~40cmまでの全距離でスムーズな見え方を実現しました。

※メーカーの表現として5焦点眼内レンズとして販売されているが、野口三太朗医師の研究によりIntensityは三焦点眼内レンズであることが確認されている。そのため、Double 3焦点(野口医師の考える俗称)眼内レンズとして表示している。

(1)バランスの良い光学設計

回折構造は、なめらかなエッジ形状の12本のステップからなり、ステップの幅や高さは中心から周辺に向かって変化し、瞳孔径に応じて最適な配分になるように作られています。 中心から直径2.5mmまでをZone 1、2.5~4.0mmまでをZone 2、4.0~5.2mmをZone 3で、明所視はZone 1とZone 2を使用し、薄明視・暗所視にはZone 1からZone 3を使用します。

(2)光学ロスが極めて少ない

焦点距離80cmの0次光と2か所のインテンシファイアによって、5焦点での幅広い焦点域を実現しました。従来の回折型2焦点や3焦点レンズでは10%~20%の光学ロスがありましたが、6.5%と光学ロスが極めて少ない設計となっています。

(3)幅広い明視域を実現

焦点化により、従来の3焦点レンズに比べても全距離(∞~40cm)で良好な見え方を実現しています。

(4)ハローグレアが少ない

従来の3焦点レンズに比べてハローグレアが抑えられています。

実臨床、自験例

※メーカーの表現として5焦点眼内レンズとして販売されているが、野口三太朗医師の研究によりIntensityは三焦点眼内レンズであることが確認されている。そのため、Double 3焦点(野口医師の考える俗称)眼内レンズとして表示している。

世界初の5焦点IOLである。単一回折格子では無く、エネルギー効率の異なる約3つのbinary diffractionを用いることで、5焦点として販売(DLU(Dynamic light utilization technology))。簡単にこのレンズの構造を説明すれば、三焦点レンズが二種類組み込まれていると考えればよい。ただ、焦点箇所はそれぞれ同じなため、三焦点レンズと考えて良い。

メリット

このレンズの最大の特徴は回折リングが12個しかないのに、複雑な光配分を可能とした点である。かつ、このタイ分のレンズで一番のデメリットである、グレアの発生をSmoothingをかけるこことでそれを回避している。回折IOLでのロスしていく光を次の焦点に加えていくことに成功し、光のロスが6%と回折レンズでは最もロスが少ない公表値である(しかし、このロス率のカウントは正確とは言い難い)。リング数が少ないために、製造工程での煩雑さ、製造ミスを最小限に食い止めることができ、無用なグレアやハローも発生しにくい。

遠方エネルギーが40%と低めに思われるが、近方焦点エネルギーが良くコントロールされているため、コントラストも良好で、PanOptixと同等以上のコントラストを実現している。近方視力は通常三焦点レンズよりは不良であるが、それを目的とする患者に対してはとても良い選択肢となりえる。

このタイプの回折プロファイルでは、まず、遠方色収差の増加により、遠方コントラストが弱くなる可能性、ハローが強くなる可能性がまず考えられるが、臨床的に大きな問題とはなっていない。レンズもプリロードとなり簡便かつ安全にインプラントが可能となってきている。

デメリット

軸上色収差が増加することになる。非常に柔らかい親水性レンズであるために嚢収縮の影響を強く受けやすい。屈折の術後の変化が発生しやすい点は大きなデメリットである。
CTRの併用は必須であると思われるが、他素材、ハプティクス構造の改善などを期待したい。CTRを併用したとしても、術後屈折値が近視化している症例を複数認めることより、素材、形状の問題点はあると思われる。企業力の問題もあるが、疎水性アクリル樹脂のレンズ開発は急務と思われる。

図:Intensity 独特な回折格子

メリット
  • 遠方コントラストが良好
  • 瞳孔径依存的に遠近を作ることができる
  • グレア、ハローは比較的軽度
  • 1m視力は非常に良好
  • 5~0.5m に優位性がある(←他Trifocal IOL)
  • 三焦点眼内レンズ(Double 3焦点)
デメリット
  • 色収差の増加
  • 若干近方視力弱い
  • 屈折値の経時的変化(近視化)
  • 親水性アクリル樹脂
  • オリジナルToric calculatorが無い