Clareon PanOptix パンオプティクス
基本情報
メーカー | Alcon社 (アメリカ) |
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種類 | 多焦点眼内レンズ |
トーリック | なし |

メーカー情報
構造&焦点 - 回折型
3焦点
∞・60cm・40cm- エネルギー配分
- 遠44%
中22%
近22%
光学ロス
12%- 特徴
- 2017年に欧州で先行発売され2019年に厚生労働省認可された日本国内で最も使用実績のある3焦点レンズ。海外での使用実績も多い。3焦点構造であるが80cmあたりもピークがあり、4焦点レンズ的な性格をもつ。
米国Alcon社製。国内在庫あり。- 暗所ハローグレア
- やや少なめ
- 選定療養
- ○
欧州で先行発売され、臨床評価が高くトップシェアとなっている3焦点の多焦点眼内レンズです。従来の2焦点レンズではピントが遠方と近方にわかれるため、中間距離の見え方が弱くなってしまうことが問題でしたが、3焦点レンズでは遠方、中間距離、近方に焦点を配分することで、その弱点をカバーして、より自然な見え方になります。
他社の3焦点レンズが「∞・80cm・40cm」で中間が80cmにピントのピークがあるのに対し、パンオプティクスはENLIGHTEN™ 光学テクノロジーにより、「∞・60cm・40cm」で中間が60cmにピントのピークがるため、40~80 cmの連続した焦点距離の見え方の質が良いように設計されています。コンピュータ作業、スマートフォンの使用、料理、本やメニューを読む、携帯型ゲームで遊ぶといったことが、より快適にしやすいように配慮されています。
3焦点レンズの光学的性質上、夜間・暗所でのハログレアは単焦点やアポダイズ回折型2焦点(遠・中)アクティブフォーカス(販売終了)に比べると少しでますが、明視域が広く、明所・暗所ともにコントラスト感度が良好で、患者満足度スコアの高い多焦点眼内レンズです。
パンオプティクス
(3焦点 遠・中・近)
アクティブフォーカス
(2焦点 遠・中)
レストア
(2焦点 遠・近)
アクリソフIQ
(単焦点レンズ)
レンティスMプラス
(分節屈折型2焦点)
テクニスシンフォニー
(エシュレット回折・焦点拡張)実臨床、自験例
Clareon PanOptix(Alcon社)は、旧AcrySof IQ PanOptixの後継機種。
4 焦点眼内レンズとして+ 1.08D 、+ 2.17D 、+ 3.25D に加入があるレンズである。+ 1.08D はほぼそのエネルギーを他に配分することで焦点としては働かないように細工がしてある。1焦点エネルギーをゼロ近くに低め、他の3つの焦点に振り分けるENLIGHTEN技術を用いた三焦点IOLで、遠方、中間(60cm)、近方(40cm)の視力を提供する。特に中間距離の光量を増やす設計がなされており、遠方60%、中間および近方に各20%の光エネルギーが配分されている。疎水性アクリル素材の改良により透明性が向上し、グリスニング発生リスクが低減されている。
Alcon社の公式情報によれば、世界で220万眼以上のインプラントがされており、最も普及している三焦点IOLの一業界初のB l a z ed diffraction の基本構造に則っての 回折デザインである。 Alcon としてはアポダイズドをやめた形になるが、これは、詳細は控えるがアポダイズドがほぼ不可能であるためにそのデザインをやめたという方が良いであろう。 4.5mm 回折である点も臨床的背景をもとにデザインしたことが伺える。日本人がんであるが暗所瞳 孔径の平均は 4.5mmである点より、理にかなっているように思える。
メリット
遠方コントラストが非常に良好でwaxy vision での 訴えがすくない。回折格子 IOL メーカーの中で唯一キャストモールディング加工が可能となっている。レンズ製造のばらつきを低減し度数ズレが発生しにくいなどプレミアムレンズとしての強みと考えられる。 3m m 瞳孔で最大 50 %遠方エネルギーとなり、約 2.5 mm 瞳孔で 38 %の近方エネルギーとなる。ロスは遠方とパラレルシフトするため、近方視力は出やすい。
デメリット
近方エネルギーが欧米人をターゲットとしたものであり、アジア人には物足りなく、眼鏡装用率がやや高くなる。
図:Clareon PanOptix のEnlighten技術
メリット - 4焦点コントロール構造(世界初)
- 遠方コントラストが比較的良好
- 数字上近方視力もよい
- ハロー、グレア強度は中~小
- モールディング製造
- 素材が柔らかい
- 近方視力良好(40cm)
デメリット - 1~70cm視力低下
- 乱視耐性が低い?
- 素材が柔らかい
- 回折型