TECNIS Synergy テクニスシナジー
基本情報
メーカー | Johnson & Johnson VISION社 (アメリカ) |
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発売年 | 2021年 |
種類 | 多焦点眼内レンズ |
トーリック | なし |

メーカー情報
構造&焦点 - ハイブリッド回折型
2焦点+焦点拡張- エネルギー配分
- ※未公表
- 特徴
- 米国Johnson & Johnson VISION社製。2021年発売。遠~中の質の良いテクニスシンフォニーにテクニスマルチの手元の見やすさをミックスした光学設計。
- 暗所ハローグレア
- あり
- 選定療養
- ○
テクニス シナジー(TECNIS Synergy)は、Johnson & Johnson VISION社から2021年に発売された、連続焦点型の多焦点眼内レンズです。
テクニスシナジーは、テクニスマルチフォーカルとテクニスシンフォニーの回折テクノロジーを組み合わせ、遠方から手元まで視力の落ち込みが少なく、暗所においても高い視機能を提供します。
テクニスシンフォニーに搭載されていた色収差補正のテクノロジーは、テクニスシナジーにおいても継承し、遠方、中間、近方のコントラスト感度を向上します。
Journal of refractive surgery. Vol.37,No.4,2021.
実臨床、自験例
TECNIS Synergy(Johnson & Johnson Vision社)は、連続的視力を提供するIOLで、回折型設計ながら三焦点以上の多焦点性能を持つ。複数の回折格子を織り交ぜることにより、数字上の視力という点においては、1m~0.4mまでの視力は落ちることなくlogMAR0.1程度を維持することができる。若年層のようなシームレスな視力回復を目指している。Opti Blue着色技術により、コントラスト感度と色視力のバランスを最適化している。
公式仕様では、光学部径6.0mm、疎水性アクリル素材で屈折率1.47、紫外線および紫色光カット機能を持つ。Symfonyは遠方色収差を補正するという技術を世界に披露したが、近方視力が非常に不良であったために、販売量は減少していった。色収差を補正する高加入レンズとして開発された。最近トレンドとなっているが、複数の回折を一枚レンズに組み込み、瞳孔径でそれぞれの機能をもたせるという構造をしている。販売会社からいつものごとく、レンズデザインについては公開がないために本当のレンズコンセプトがわからないのが難点である。
我々の解析結果では以下の様に、中心から0.75mmの範囲では、二焦点か三焦点?構造、0.75~1.25mmの範囲では四焦点構造?、更に周辺部は二焦点構造?であろうか。図に示す通り、瞳孔依存性が強くあるように思われる(図4)図 Synergyのおおまかな回折構造
中心から周辺二かけて、回折格子の種類が異なる。メリット・デメリット
●メリット
- 40cmまで視力0.8を維持(←PodF)
- 全距離視力が非常に良好、近方眼鏡
- 非装用率90%強
- 長期安定性の高いテクニス、オプティブループラットフォーム
- 瞳孔依存的に遠近を出す
●デメリット
- Glareが比較的強い
- 乱視耐性が低い
- 低加入レンズよりもコントラストはやや悪い
- 瞳孔依存症が強い
- Glare環境コントラストがやや不良
- ハイブリッド回折型