眼内レンズ 眼内レンズ

TRIVA トリバ

基本情報

メーカー HumanOptics社 (ドイツ)
発売年 2024年
種類 多焦点眼内レンズ
トーリック なし

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※「実臨床、自験例」は臨床結果を元にした、当院主任執刀医:野口三太朗医師独自の情報です。医師紹介を見る

メーカー情報

ドイツの大手眼内レンズメーカー:HumanOptics社から非常に優秀な3焦点眼内レンズが発売されました。

同社のスマートIOLテクノロジーにより、従来の3焦点眼内レンズでは見え方が弱かった中間視力も見え方が改善され、トリバ(TRIVA)では、遠方から近方まで連続視覚効果を実現をめざします。
特に、スマートIOLテクノロジーにより、遠方に加えて、80cmから36cmまでの範囲も見えやすく設計されており、コンピューター画面だけでなく、タブレットやスマートフォン距離にも重点をおいています。

(1)ワイドな単焦点エリア

PEFRACTIVE OPTIC PERIPHERY

従来の3焦点眼内レンズ比べて、レンズ周辺の単焦点エリアが広範囲に設計されております。これにより、薄暮、夜間における、グレアの発生や、遠方距離でのコントラストの改善をもたらします。

(2)改良されたレンズ中心エリア

INNER ZONE

色収差補正技術と、一箇所への強い光エネルギーを用いることによて、瞳孔や視軸の偏心に対する耐性を兼ね備えています。また、収差に対しても耐性があります。

(3)色収差補正回折格子

ACHROMATIC CENTRAL DIFF-RACTIVE ELEMENT

最新の回折デザインにより、7本の回折リングのみの設計になっております。人間工学に基づき、現代のあらゆるデジタルデバイスに対応した、中間から近方の連続した見え方(80cmから36cmまで)が可能となっております。また、このデザインもハロー・グレアの軽減につながっております。

(4)明るい見え方

Abbe Number TRIVA56

レンズ素材は、親水性アクリル材質を採用しており、グリスニング、UV、ブルーライトを防ぎます。また、アッベ数56の材質の為、疎水性アクリル材質より見え方が明るく、素材自体の色収差が少ないです。

実臨床、自験例

(3)色収差補正回折格子について、Abbe Number TRIVA56で、アッベ数56の材質の為、疎水性アクリル材質より見え方が明るく、素材自体の色収差が少ない。

現行三焦点IOLと遜色はなく、視力も良好であるが、統計学的検討まではできていない。インジェクターが1.2.3インジェクターでレンズに触れることなく、レンズローディングができるのもメリットである。レンズ面は非常に綺麗で、面精度はTridiffと同レベルのトップクラスだと思われる。トーリック軸をハプティクスと同軸にはせずずらすことで、レンズ回旋率を下げる努力がなされている。いわゆる“全部載せ”なIOLである。乱視矯正範囲が広いのは非常に有用である。レンズの面精度も良く、レンズ製造工程もしっかりしている印象である。conventionalな構造とunconventionalな構造のミックスが織りなすハーモニーはどんなものであるのか。後日、レンズの視機能について報告したいと思う。

メリット
  • 従来の3焦点眼内レンズに比べ、中間、近方視力の改善され、親水性アクリル材質により、明るい見え方を実現
  • トーリック軸をハプティクスと同軸にしていない
  • 良好な遠方コントラスト、視力
  • 7本の少ない回折リング数
  • 親水性アクリル(アッベ数56)
  • 通常多焦点で製造困難なT9を製造可能
  • 色収差発生の抑制(高レベル)
デメリット
  • ハロー・グレア(特にスターバースト)
  • 強度近視に対して製造範囲外
  • 海外臨床データなどが少ない
  • ハロー・グレアの出る可能性はあり