眼内レンズ 眼内レンズ

Vivinex Impressビビネックス インプレス

基本情報

メーカー HOYA株式会社 (日本)
発売年 2023年
種類 単焦点眼内レンズ
トーリック 記載なし

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※実臨床、自験例は臨床結果を元にした野口三太朗医師独自の情報です。

メーカー情報

Vivinex Impress(ビビネックス インプレス)は、HOYA株式会社から2023年に発売された新しい眼内レンズです。

野口三太朗医師をはじめ、日本複数箇所にて先行して移植が開始されているかと思われます。
素材は従来から使用実績があるHOYA社の眼内レンズVivinex multiSertと同じであるため、信頼性の高い疎水性アクリルで、後発白内障やグリスニング(白内障手術術後合併症)などが少ないことが期待されています。
眼内レンズ分類としてはpremium monofocalに分類されます。日本国内では単焦点眼内レンズと同様の費用にて移植可能となります。

※クリックで拡大します。


VIVINEX Impressの最大の特徴は、これまでの光学設計を基に開発した独自の非球面レンズ構造となっており、下表にもある通り従来品(XY1)との比較からも-0.75~-1.25D付近の視力向上が期待できるレンズになっております。
VIVINEX Impressは、遠方視力の優れた性能を維持しながら、中間距離では眼鏡に依存しない優れた性能を提供する可能性があるとされています。

VIVINEX Impressはすでにヨーロッパでは数多く使用されており、下図のようにテクニスアイハンスやBVI medical社のプレミアム単焦点レンズであるIsopureとも比較されたデータも出されております。ImpressはアイハンスやISOPUREとコントラストも視力も同様であったという報告が唯一出ています1)。

ただし、詳細なレンズ構造や基礎的な結果は出てきていません。臨床的な複数の成績の報告がありません。 野口三太朗医師による臨床成績などから予想されるImpressのレンズ特性は以下と考えられます。しかし、症例数が増えるに従ってその結果は変わりますが、参考にしてください。

Impress、Eyhance、ISOPURE、EMVは現状の臨床報告などでは大差が無い、同じようなレンズとして扱われることがありますが、それなりに性格が異なる、特性が異なることが野口三太朗医師の研究よりわかってきています。状況、眼によって使い分けは必要との判断です。

Rita Mencucci.et al. Enhanced Monofocal Intraocular Lenses: A Retrospective, Comparative Study between Three Different Models. J Clin Med 2023. 21;12

実臨床、自験例

メリット・デメリット

●メリット
  • 単焦点レンズに比べて、中間、近方への視力がやや期待できる
  • 眼鏡装用率を下げる効果がある
  • 保険がきくため金銭的負担が増えない
  • 従来のXY1プラットフォームのため、安心して移植可能である
  • 夜間グレアの発生が少ない
  • モールディングである
●デメリット
  • 遠方コントラストの若干の低下
  • 近方視力は十分ではないため、眼鏡が必要となる
  • 乱視矯正ができない